2014.04.24 (Thu)
【183位】advantage Lucy【アーティストMy Best 200】

ここがすごい!
のどかな「風」のようなギターポップサウンドの中に、切なく突き抜けるアイコの歌。
まるで歌っているかのようなギターを中心にした、余計な音のないシンプルなバンドサウンドが、シャキシャキしたサラダのように気持ちいいです。
ただ、advantage Lucyが心地いいだけのギターポップと一味違うのは、「痛み」すら感じるような切ないメロディーとアイコの歌声ですね。
クリアでかわいい声なんだけど少しハスキーでけだるそうな歌が、芝生や花壇をそよぐ風のようにメロディーに乗ると、ギューと胸を締め付けてきます。
そして、部屋に閉じこもってばかりいないで、今日は外を出歩いてみよう!と思わせてくれます。
「胸キュンポップ」という形容はいろんなバンドに使われすぎてしまっていますが、advantage Lucy以外に使用するのを禁止したいくらい、そんな形容がぴったりのバンドです。
この4曲!
「シトラス」(Sg「シトラス e.p」)
イントロが鳴った瞬間は、のどかな休日の公園が似合いそうな優しいギターポップなのですが、アイコがメロディーを歌いだすと、なにか心の奥の部分がギュッとつかまれるような切なさを感じます。
サビも飛び立つような解放感があるんだけど、とてつもなく切ない。
イメージは、目覚めて、なんか昔のことを夢に見た記憶が残ってるんだけど、それがいつ、誰とのどんな思い出せない、みたいな。
記憶のような、夢のような、おぼろげでセピア色の世界の切なさを見事に表現した名曲です。
「グッバイ」(Sg「グッバイ」)
サビがキャッチーなアップテンポナンバー。
長く心地よい眠りかさめて、起き上がり出かけていくときに伴うチクチクした「痛み」を、さわやかに乗り越えていく「強さ」や「厳しさ」を感じる曲。
「Armond」(Al「ファンファーレ」)
Al「ファンファーレ」の最後に収録されている人気曲。
「おでこ全開で走る」というフレーズが強烈に印象的なアップテンポナンバー。
当時流行っていたシニヨンというおでこ全開の髪型で、ロングスカートをパタパタさせて走っていく少女の姿がイメージされます。
「ハローハローハロー」と繰り返すサビは、「グッバイ」と対になっているかのよう。
「グッバイ」に描かれた古い自分との「別れ」の末にたどりついた新生活のさわやかな勢いを感じます。
「風にあずけて」(Sg「風にあずけて」)
4人のadvantage Lucy としては最後のリリースとなったシングル。
切なさと明るさ、冷たさと暖かさ、はかなさと鮮明の間で揺れ動くadvantage Lucyのポップが、絶妙なバランスで定立したような、決定的名曲。
肩の力が抜けて投げたらズバッとストレートが決まったような。
やるせない挫折や失恋から、ふとしたきっかけから立ち直っていき、前向きなき気持ちを取り戻していく。
こんがらがった頭が解けていき、雲間に光が差していくようなあの瞬間の心情を見事に表現した曲です。
「今日が終わって明日が過ぎあさってを迎えるまでにはきっと忘れてるよ」
そんなもんかもしれませんね。
アイコの歌を控えめにエスコートするような石坂のコーラスも非常によく効いています。
アウトロの「パンパラ パーラ パンパンパ パーラ」をいっしょに口ずさみ、「しあさって」のところでクスっとすれば、どんなときでも、少し上向きな気分になれる、薬箱の常備薬のような名曲です。
このアーティストが好きならCheck!!
Cymbals、Swnging Popsicle、ROUND TABLE、Buscuit Fan
DATA
95年、福村が雑誌にメンバー募集を出してLucy Van Peltを結成。
96年、番場が加入。
97年、名門インディーズレーベルGOD’S POP RECORDSからインディーズデビュー。
98年、メジャーデビュー。同時にバンド名を現在の「advantage Lucy」に変更。
99年、福村が脱退。
01年、東芝EMIとのメジャー契約が終了し、自身のレーベルsolaris recordsを設立。
05年、番場が脱退。
11年12月31日、ブログ上で石坂とアイコが3月に入籍していたことを発表した。
□メンバー
アイコ Vo
石坂義晴 G
福村貴行 G(99年脱退、03年逝去)
番場要 Dr(05年脱退)
□好きなアーティスト/曲
アイコ:IVY「don't believe a world」
石坂:スミス、ドアーズ
番場:スミス、チャーリー・ワッツ、ニール・パート、That dog、HOLE
□愛読書
アイコ:ポール・ギャリコ「雪のひとひら」
福村:松本零士
番場:ジェームズ・エルロイ「ブラック・ダリア」
□グループ名の由来
Lucy Van Peltは漫画「PEANUTS」の登場人物名から取った。メジャーデビューにともない、原作者から物言いが付いた事もあって現在のadvantage Lucyに変更。
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J-POPが好きな方はぜひご参加ください↓。


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こんにちは。
いつもコメントありがとうございます。!
私はやはりメジャー時代の曲が好きなんですよねー。
このころは北欧ブームの直後で、ネオアコ系のグループもひとつのムーブメントを作っていましたよね。
GOMES THE HITMANの登場はずーと上位になりますが、どうぞお楽しみに!
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このグループは、私生活が忙しくなってしまったのか
最近、停滞してしまっていますよね。
この時期に出ていたネオアコ系のグループ(gomes the hitmanなど)
は、ほとんどが解体されているだけにもう一度復活を願っています。
自分は後期の「グライダー」が一番好きなアルバムです。